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紬(つむぎ)
蚕を飼育する農村地帯では、生糸にならな い残り繭を真綿にしてこれを糸につむぎ、紬を織った。
廃物利用の織物といえるが、上質の絹物では味わえない厚手の地合いは、温かさ
と丈夫さを併せ持っていた。慶長年間(一五九六〜一六一五)に常陸紬が 結城紬と名を改称して市場に流通するころには、全国各地に地織紬がみられた。
江戸時代になるとしばしば奢侈禁止令が出されて、絹物着用の制限を受けた百姓町人は、同じ絹物でも木綿と似た地合いで、絹物の認定から除かれていた紬をおおいに愛用した。天保十二年(一八四一)の改革では絹織物の製造を禁止したので、紬の需要はいっそう高 まった。
結城紬、仙台紬、横山紬、高山触、郡内紬、 松阪紬、丹後単物納、長浜紬、八丈紬、上田柳条紬など、地織紬は続々と市場で勢いを増 し、紬は庶民のきものとして決定的な位置を 占めるに至った。
真綿手紬糸を経・緯に平織する諸紬が本来のものだが、玉糸・綿糸を交ぜると半諸紬。 経に玉糸・綿糸、緯に紬糸は平紬という。
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