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着物素材事典
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5 モスリン

 長襦袢の素材として親しみのあるモスリンは、染色の際の発色がよく、柔らかくて軽く暖かいという利点から、明治中期以降から広く用いられてきた。メリンス、関西ではメレンスともいう。

 唐ちりめんともいわれ、薄地で平織りの毛織物。合いのひとえのきものや、防寒のじゅばん、裾よけ、羽織裏、裾まわし、ふろしきなどに使われてきた。綿モスリンと区別するために本モスリンともいう。 

  モスリンは梳毛織物のひとつで、その名称の起源は、メソポタミアのチグリス川西岸の都市モスルで製織された薄地の綿布に、ア ラビア人がモセリニという名称を付けて他地方へ輸出し、フランスにおいてこれをモスリンと呼んだことによるといわれる。

 日本では、モスリンといえば薄地の毛織物を称し、綿製は綿モスリンと呼ぶ。モスリンは、経緯ともメリノ種の羊毛を原料とした細 い枕毛糸の単糸(40〜60番手)を用い、普通は平織で製織した薄地の梳毛織物である。モスリンには染色しない生地モスリン、単色に染色した無地モスリン、模様を染めた柄モスリンがある。柄の特に華やかなものは「モスリン友禅」と呼ばれた。

 明治にはいって、日本人好みの友禅模様の図案を外国に送り、捺染させたものを輸入するようになった。明治の中ごろになって、輸入されたものを研究し、在来の本友禅の技術を取り入れて、日本でもモスリンに友禅染めが多く作られるようになった。

 これより早く大阪の堀川新三郎、岡島千代蔵らによって研究がされていて、明治10年ごろ、板に張った布地に型紙で模様を写す方法が考えられた。その後改良 されて白川友禅が生まれ、その技術は東京、名古屋方面にも伝わり、縞モスリン、小紋モスリン、友禅モスリンが染められ、着尺用として広くもちいられた。

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